輝く女性たち

針尾直美さん / なゆきし本舗 代表

 

平戸のマグネット

 平戸で起業して、9年目を迎えました。

 事業所の名前は、なゆきし本舗!

 これは、当時、小学生だった息子が考えた名前です。「おみ・きのじょう・らら・のぶ」家族の名前をとったのだそうです。「家族で応援するよってこと!」そう言われたら却下できず、そのまま事業所の名前にしました。

 なゆきし本舗ができるまで、そしてどんなことをしているかについて、簡単にお話しいたします。

 18歳、大学進学を機に、大好きだった故郷・平戸を離れるその日、もうここに住むことはないのだろうという思いがどこからともなくわいてきて、とても切なく、次から次に流れ出る涙を止めることができず、嗚咽してしまったのを覚えています。帰って来たくないのではなく、就職のことなどを考えると、きっと帰れないのだろうと思ったのです。

 大阪の大学に進学し、在学中に北京の大学に留学。ガイドブックに情報を提供することで旅費を稼ぎながら旅三昧の日々。

 そして、就職した東京の会社から出向を命じられ再び北京へ。

 平戸からずっと離れた場所に私の居場所がありました。

 「もう平戸に住むことはない。」初めて平戸を離れる時の切ない思いは、どんどん現実のものとなっていました。

 そんな時、私を平戸へと引き寄せる出来事が起こりました。父の病です。少しずつ年老いていく両親。会社の配慮で長めのお休みをいただいて一時帰国した私の目に、両親はとても小さく映りました。「帰ろう!」降って湧いた決意に、一番驚いたのは私自身だったかもしれません。

 帰省後は、起業までの間と決め、市役所に就職し、それまでにはなかった行政という仕事を経験させていただきました。最長でも10年間と決めていたはずの公務員生活が10年を越えると、このままでは悔いが残るという思いが大きくなり、13年目に入った時に、今年度までと決意することができました。13年間お世話になった市役所を卒業して、やっと、起業の扉を開き、新しい世界へとチャレンジを始めたのです。 

 起業して先ずしようと思っていたことは、「ひらどしマン」グッズの制作。「ひらどしマン」とは、「平戸の未来は、俺達が守る!」と言うキャッチフレーズで2000年に登場した平戸防衛戦隊。平戸で人気のローカルヒーローです。

 当時、私は、市役所で地域振興を担当しており、ひらどしマンの活動にもかかわらせていただきました。「平戸の未来は、俺達が守る!」みんなそんな気持ちで一つになっていたと思います。活動は現在お休み中ですが、その思いは、今もなお、みんなの心で燃え続けていると信じています。一人ひとりが、地域を守る「ひらどしマン」です。活動もしていない今頃になって売れるわけないと言われても、これだけは何が何でも形にしたいと、躊躇なく、ストラップとキーホルダーを作りました。大好きな平戸の風景は、マグネットにしました。

 オリジナル商品以外にも、雑貨を買い付けに行ったり、ネットショップも立ち上げたりしましたが、輸入で大失敗をし、大きな損失を出した時には、目の前が真っ暗になりました。他にも数々のピンチを経て、なんとか前進しています。

ひらどしマンストラップ

上海での長崎県プロモーション

 また、数年前から平戸市の外国人観光客誘致事業にも携わらせていただいておりますが、海外に、大好きな平戸をPRするチャンスを得て、とても嬉しく思っています。2017年末には、上海からKOL(Key Opinion Leader)を招聘して新たな観光資源を体験していただき、SNSやOTA(Online Travel Agent)の旅行記で平戸の情報を発信していただいているところです。ターゲットは、東アジア。東アジア各地でそれぞれにPR活動をしています。

 昨年から別事業として、代行業も始めました。運転代行と幹事代行ですが、これは、やってみたいというスタッフの発案で、運営はスタッフに任せ、私は、全体的な管理と経理を担当しています。

 このように、現在のところ、スモールビジネスをいくつか抱えるというスタイルで仕事をしています。まだまだ夢を追う身ですが、夢を追う人の力になることも私の夢の一つです。

 尊敬する平戸出身の高田明氏(V・ファーレン長崎社長)は、地方だからできないという仕事はないと言っています。平戸には働く場所がないと一旦平戸を出た私ですが、平戸でもいろんな夢が見れることを体験しました。その体験をもとに他の人の夢実現を後押しできるよう、もっともっといろんなことにチャレンジして、スキルアップしていきたいと思っています。

(更新 平成30年2月)

 

 

 

 

 

 

ライフ年表

27歳 中国進出プロジェクトメンバーとして合弁会社設立に関わる
28歳 中国北京に設立された合弁会社(アパレル工場)に出向(北京駐在)
29歳 北京初となる外資系小売店開業に関わる
30歳 父の病気を機に退職、平戸へ帰郷、平戸市の国際交流のお手伝いをする
32歳 平戸市役所職員となる
45歳 平戸市役所を卒業して起業

  • 現在の仕事(活動)を始めるきっかけ又はやりがい
  • 石橋をたたくより、とりあえず渡ってみる私の起業は、失敗の連続。
    電球を発明するまでに一万回失敗したといわれるエジソンが言った「失敗ではない。うまくいかない方法を一万通り発見しただけだ。」という言葉に励まされながら、今もなお、うまくいかない方法を発見中。
    勤め人を続けていたら、もしかしたら今より楽だったかもしれませんが、「楽(らく)」と「楽しい」は、全く違います。
    余命を知った父が私に言った「苦労はしたけど、いい人生だった。悔いはない。」という言葉を、絶対、私も言って死ぬぞ~!それが私の原動力!チャレンジすることにやりがいを感じ、転んでは起きてを繰り返しています。

  • 仕事(活動)と家庭の両立で工夫していること
  • 子どもが小さい時は、手抜きしてはいけないような気がしていました。いい母親でいたいとか、いい妻でいようとか、自分なりの理想像があって、結構無理していたように思います。
    今よりも若かったからか、その無理にも気づかず、頑張っていました。体調を崩して入院したのを機に、「手抜き」に目覚め、無理し過ぎないように心がけるようになりました。
    ついつい無理をしてしまうこともありますが、無理して体調を崩したら元も子もないと言い聞かせ、うまく手抜きしています。

  • プライベート(休日)の過ごし方
  • 自営業なので、あまり休みはありませんが、参加したいセミナーや勉強会がある日をお休みにして出かけています。
    家族と一緒に旅行したり、スポーツ観戦などに出かけることもあります。

  • 座右の銘(好きな言葉)
  • 「人生は、嵐が去るのを待つ場所ではなく、雨の中でもダンスを楽しむことを学ぶ場所」

    この言葉に同感。嵐の時も、雨の中でもダンスを楽しむ私でいたいと思います。この言葉との出会いで、「人生ってなんて素敵なんだろう」という思いを新たにしました。

  • これからしたいこと(今後の目標)
  • 冒頭に書いてしまいましたが、他の人の夢実現の後押しをできるようスキルアップしたいと思います。
    その準備として、心理学やキャリアコンサルの勉強もしています。

  • 後輩女性へのメッセージ
  • 「自分の人生のハンドルは自分で握りましょう!」
    もちろん、いろんな事情で思いどおりにならないことは多々あります。
    そんな時、その事情にフォーカスするのではなく、それをどう受けとめるか、どう感じ、どう対処するかは、自分次第です。
    自分で決めることができることに気づいていて欲しいです。
    私自身もそれを忘れないでいたいと思います。