輝く女性たち

入江淑子さん / 放課後児童クラブ<あそぼうね>代表

 私は今、ばあちゃん先生で日々奮闘しています。家族や周囲の方たちから、「体は大丈夫?」と、いつも聞かれたりします。

 私は公立幼稚園の教員を25年間していましたが、夫の職務の関係で退職しました。

その後、島外から赴任した教員や看護師の子どもを預かり、自宅で認可外保育施設を運営するまでになりました。平成13年末には、民生委員児童委員の主任児童委員の役を受け持つこととなり、壱岐市で子育て支援の居場所づくりに力を注ぎました。その頃、我が家の別宅を、毎週土曜日に誰でも利用できるように開放したところ、年間大人187人、子ども442人の利用があり驚きました。

 私は、仕事を辞めたことで女性は、『24時間子育てから離れられない母親の厳しい現状がある事』に気づきました。私の中に、働く女性は大変だけど、仕事をしない女性は、楽をしているという偏見がありました。今では、そのような考え方を変えて、周りの人と接するようにしています。

 長寿社会になった今では、子どもや子育て中の親、高齢者にも居場所が必要なことがわかりました。

 

 

学童で花見ドライブ

  主任児童委員になって間もなく、県内で児童の殺傷事件が起こり、色々と考えさせられました。

次の文は、私が平成20年当初、下校後の児童の居場所づくりの設立目的を記したものです。

 『昨今、事件は低年齢化し殺傷事件などのニュースが多く、身が震える思いである。多様化している家庭環境の中で、子ども一人ひとりの問題は山積している。行政のご協力により、市内でも念願の居場所づくりが整備されつつあるが、まだ十分とは言えず、コミュニケーション力が叫ばれている今、孤立化している家庭や子どもも多く見られる。放課後、友達の家から家へ小遣いを片手にさまよう子ども、祖父母との留守番で、一人寂しくゲームをしている子などが気にかかり、壱岐島の将来が心配になる。子育て支援をとおして国、県、市の子育て情報を地域の人々へつなぐパイプ役として、また自分の体験と地域の人の知恵を児童へ伝えたりして、心豊かな地域づくりができるようにしたい。』

 主任児童委員は、12年間で辞めて6年になりますが、今でも気持ちは変わりません。

 

子育て支援ふれあいプラザ

現在、私は3つの事業を行いながら社会と関わっています。

①親子の居場所として<ふれあいプラザ>の仲間入り

 平成14年から、毎週土曜日に<ふれあいプラザ>として、自宅を開放していたのを金曜日の10時から14時に変更しました。食事も出来るので、未就園児の親子が遊びに来ています。曜日を変更してからは、社会福祉協議会の協力を得て助かっています。利用者の親子はお米1合を持って来て、私が作るごはんと汁物をみんなで一緒に楽しく食べるのです。家で食が細い子どもも、親がびっくりするほど食べたり、嫌いな野菜を口にしたり、料理の話題や情報交換、いろいろな遊びをしたり、いろんな発見があり喜ばれています。以前は、おかずを何種類か作っていましたが、近頃、私の指先がうまく使えないので、残念ながら、おかずをお汁物だけにしています。お汁のだしは、いりこ、肉、魚で季節の野菜やきのこ類など具をたっぷり入れるとおいしくなり、子どもの味覚と食欲が増します。この事業も、できる限り続けたいと思います。

②『笑いヨガ』の講師

 主任児童委員の時、男女共同参画の研修会で出会った『笑いヨガ』のリーダーの資格を取り、市内の障がい者、保育園・幼稚園児、高齢者サロンへと出向いて、ともに楽しんでします。

 市内では高齢者の居場所としてのサロンが沢山できて、認知症予防として笑いヨガの依頼がよくあります。高齢者サロンに参加している人はとても愉しく、私も元気を貰っています。私は、笑いヨガと認知症予防のためのゲームやカードゲームをしたり、昔遊びを入れたりしています。

最後のリラクゼーションでは、片鼻呼吸で、私が壱岐の子守唄を3分半程度歌っています。壱岐の原風景がイメージできると、とても喜ばれています。今後、笑いヨガも、無理のない範囲で出かけていきたいと思います。

 また、認知症予防のためのプログラムを自分の身の回りにあるものを工夫しながら活用しやすいように更に、良くしていきたいと思っています。

笑いヨガ体験会

「子どもの広場」開催の様子

③放課後児童クラブ<あそぼうね>で小学生とともに

 働く親のニーズから「私がどうにかするけん大丈夫!よそに引っ越さないで!」と、簡単に請け負った下校後の児童の居場所づくりが、十年経過しました。登録児童数が50名です。子どもの世話と共に運営に関するすべての事務処理などを、皆さんの協力で頑張っています。

 特に夏休みは、8月5日くらいまで毎日、車3台で海に連れて行きます。他には、近くのB&Gプールへ行ったり、地域の散策にも出かけ、遊び、食べる、寝るが目標です。

 毎年、5月3日の午前10時から午後3時まで「子どもの広場」を主催し、民生委員児童委員協議会と壱岐市社会福祉協議会勝本支所との共催で開催し、壱岐市内から300人以上の人たちが集まり13回目を終えました。                (令和元年10月現在)

ライフ年表

46歳:公立幼稚園を退職。自宅にて預かり保育開始(その後、認可外保育施設)
52歳:民生児童委員、主任児童委員となる。子育て支援の居場所づくりのため、自宅(別宅)開放、現在に至る
59歳:児童の預かり準備・開始
61歳:幼児預かり保育中止
64歳:主任児童委員の活動終了。男女共同参画の研修で『笑いヨガ』と出会い、その後リーダー資格をとり活動する
67歳:『笑いヨガ』で障がい者、保育園・幼稚園児や高齢者向けに市内の施設へ出向く

  • 現在の仕事(活動)を始めるきっかけ又はやりがい
  •  11年前、主任児童委員(民生児童委員)をしている時、島外から来られた教員(当時、育児休暇中)から、「小学校に入るので、住居を郷ノ浦に引っ越さないといけない」との声があり、「ちょっと待って、私がどうにかする」と言って、放課後児童クラブを始めました。壱岐の自然を子供たちにしっかりと受け止めてもらえる様に、夏はできるだけ海に連れて行ったり、地域を散策したりしています。「親もできないことをやってもらい、ありがたい」と言われ、やりがいを感じます。

  • 仕事(活動)と家庭の両立で工夫していること
  •  夕食は遅くなりますが、夫の好きなものを準備したり、「今夜は何が良い?」と話して、なるべく一緒に食事をするようにしています。

  • プライベート(休日)の過ごし方
  •  孫が来ない時は、95歳の母と友達を車に乗せて、買い物・温泉など、時々ドライブや食事に行くように心がけています。(お互い認知症予防です)

  • 座右の銘(好きな言葉)
  • 『実るほど頭をたれる稲穂かな』
     私が小学生の時、父親から教育された言葉です。他の人のために尽くすこと、一日一善です。
    先日もきれいな稲穂を見て感動し、『実るほど頭をたれる稲穂かな』の言葉もすぐに思い浮かびました。
    いつまでも謙虚な気持ちでありたいと思います。

  • これからしたいこと(今後の目標)
  • ●認知症予防のプログラムを自分なりに整理して、高齢者サロンなどで取り入れやすいようにしたいです。
    ●高齢者の居場所づくりとして、自宅を開放したいと思います。(認知症予防のプログラムを取り入れる)

  • 後輩女性へのメッセージ
  • ●無理をしないで、人のために尽くしましょう
    ●人間関係には、素晴らしいものがあります。