輝く女性たち

大坪 文さん / 伊勢海老と地魚の宿 えび屋

ジャンル

 五島列島のほぼ中程に位置する若松島で、家族経営の宿をしています。

私は主に、接客や調理、予約の受付をしています。

 

 子供の頃、網元だった建物を利用して、両親が民宿を始めました。

当時は、父が伊勢海老漁や魚の養殖などをやっており、観光で来られた方を船で案内していました。海水浴や磯遊びは、お客様と一緒になって、私や兄も楽しみました。(40年以上経った今も、その頃のお客さんとの再会は、何にも代えがたい喜びです。)

そのような体験が自分の中にベースとしてあるから、30歳の頃には自然と家業を手伝いたいと思うようになっていました。

配膳の様子


 
 

季節の花を活ける

 私が五島に戻ってきた当時の宿の利用者は、ほぼビジネスマンのみでしたが、少しづつ個人や旅行社の団体ツアーの受け入れを始めました。

観光・巡礼・釣り・ダイビングなど、最初は旅行社やお客様のご要望に応えられないことばかりで、日々改善、改善を繰り返してきました。お客様が10人いれば10人の要望があり、いつも同じようにしている事でも全く違った反応を受けることがあるので、多くのお客様に喜んで頂くにはどうすればよいかを考えることが、私の生活の中心になりました。家族皆同じ気持ちだったと思います。

 同時期に、昼食の団体ツアーの受け入れも始めたので、無我夢中で仕事に励んだ時期でもあります。

お客様から、お叱りを受けたり改善策が思い浮かばず悩むこともありますが、一番の励みは、お客様からの喜びの声です。そしてアイデアやヒントなど貴重な情報を与えてくれるのもお客様です。

「お客様の声に耳を傾ける」という言葉もまた、お客様から教えて頂いた商売の肝のひとつです。

 お客様との出会いの中で印象深かったのが、動植物の専門家の先生です。五島の貴重生物についてたくさん教わり、フィールドワークにも何度も同行させて頂きました。また、先生に監修していただき、宿の敷地内に野鳥観察小屋や散策道などを作りました。

(現在は、鹿や猪の被害で閉鎖しています。)

 情報発信のために地元の方を集め、宿で「お座敷講演会」を開催し好評を得ました。今でもその頃の体験が役立っています。

 講演会以外にもイベントを、行うのは楽しい仕事の一つです。お座敷コンサートなども開催しましたし、2018年には、地元の人による手作り雑貨の作品展を開催しました。二日間限定でしたが、やりがいもありました。

 今後も通常の業務を大事にしながら、時折、何かしらのイベントの様な、ちょっと違った趣向でおもてなしが出来たらと思っています。

                               (令和元年11月)

 

手作り雑貨展示会

 

ライフ年表

21歳:アパレルメーカーのインテリア事業部に所属
28歳:ステンドグラスの工房勤務
30歳:家業の宿経営に携わる
45歳:OTAにて予約開始

  • プライベート(休日)の過ごし方
  •  町の図書館に行くことが多いです。町内の3か所の図書館を利用しますが、リクエストもスムーズですし、司書さんとの会話も楽しく良い充電ができます。島から出るのが一番のリフレッシュなので、時間をみてバッと飛び出して出掛けたり、映画や美術館に行きます。心を許せる友人と会うためだけに時間を作ることもあります。

  • 座右の銘(好きな言葉)
  • 『急がば回れ』
     面倒くさいと先送りにして、土壇場でバタバタしたり、詰めの甘さから後々トラブルに繋がって落ち込むこともあります。段階を踏んでやっとたどり着く仕事もあり、そんな時は一つ一つを丁寧に確実にこなすことを心がけます。

  • これからしたいこと(今後の目標)
  •  インテリアやアートに関することが好きで、学生時代からその分野のアルバイトや仕事をしていました。
    今でも室礼(しつらい)や演出を考えるのは好きで、特に活花を褒められるのは非常に嬉しいです。宿の周りに宿根草などをさらに増やして、季節感の演出を磨きたいです。
     余裕が出来たら短冊サイズの日本画に挑戦して、海外のお客様へのプレゼントに出来るようになりたいです。
    それよりも語学の勉強が必要ですが…(笑)